ビルトインエアコンの仕組みとは？ビルトインエアコンの節電方法

業務用エアコンにはさまざまな種類があり、空間に適したエアコンを選ぶことで快適に利用することができます。
よく見かける業務用エアコンとしては天井カセット形や天井吊り形ですが、ビルトイン形というタイプも存在します。

ビルトインエアコンは本体を天井内に隠し、室内の好きな場所に吹き出し口を設置するため、最近人気の業務用エアコンです。
そこでこの記事では、ビルトインエアコンの仕組みやビルトインエアコンの電気代などについて解説します。

 

ビルトインエアコンの仕組み

 

ビルトインエアコンは室内機を天井内に埋め込み、ダクトを使って吹き出し口を分散できるタイプです。

本体に丸型または角形のダクトフランジが付いており、ダクトでユニットと接続して離れた場所に吹き出し口を設けることができます。
エアコン本体で空気を吸い込み、ダクトを通して吹き出します。

店舗や室内の形に合わせてレイアウトフリーでスタイリッシュな空間を実現することができます。

1室内ユニットあたり吹き出し口は2～4個設置できるので、変形間取りの室内でも柔軟に設置が可能です。

 

カセット式との違いはカセット式は本体と吹き出し口が一体化していますが、ビルトインエアコンは本体は天井内の離れた場所にあります。

 

天井内に吹き出し口とつながるダクト、室外機へ繋がるドレン管や電線などがあります。

 

ビルトインエアコンのメリット

見た目がすっきりしている

 

ビルトインエアコンは見た目がすっきりしており、インテリアを邪魔しません。
吹き出し口も天井カセット式よりもかなり小さくすることができるため、エアコンの存在を目立たせたくない場合にも役立ちます。

 

広い空間の隅々まで空調を届けることができる

 

複数の吹き出し口を自由にレイアウトすることができるため、1台の室内機と室外機で部屋の隅々まで冷暖気を届けることが可能です。

 

変形間取りに適している

 

ビルトインエアコンの最大のメリットは変形間取りやパーテーションで仕切られた空間でも冷暖気を届けることができる点です。

本体からダクトで吹き出し口をつなぎ、好きな場所に吹き出し口を設置できるため、通常のエアコンでは冷暖気を届けることが難しい場所や、エアコンの設置が難しい場所まで冷暖気を届けることができます。

 

ビルトインエアコンのデメリット

製品が少ない

 

ビルトインエアコンはほかのタイプの業務用エアコンに比べて製品の種類が少なく、選べる機種が限られます。
選択肢が限られてしまうことは知っておいた方が良いでしょう。

 

費用が高い

 

また、ビルトインエアコンは比較的新しいタイプのエアコンのため、費用が高くなります。
機種だけでなく、天井内にエアコンを設置し、複数の吹き出し口を取り付けるため、設置費用も高くなる傾向にあります。

メンテナンスもほかのエアコンに比べて大変なため、メンテナンス費用も高くなります。

 

天井内の状況によっては取り付けができない

 

天井内にエアコン本体を設置するスペースや、梁、配管、配線等の状況によっては施工不可の場合があります。
また、天井に機器を設置するための穴をあける必要がありますので、穴があけられない場合は設置ができません。

 

ビルトインエアコンの電気代は?

 

業務用エアコンの電気代を計算する場合は、以下の計算式を使います。

電気代（円）＝消費電力（kW）×電力量料金（円/kWh）×時間（h）

エアコンに限らず、電気製品は同じ計算式で電気代を算出します。

業務用エアコンの電気代を計算するときは、使用しているエアコンの仕様書または仕様表を確認します。
型番が分かればメーカーの公式サイトで調べると簡単です。

仕様書の中の「消費電力・冷房」の項目にある数字が冷房時の消費電力です。

電力量料金は電力会社の電気代の単価となりますので、それぞれ計算式に当てはめて計算します。

 

ビルトインエアコンの電気節約方法

定期的なエアコンクリーニング

 

エアコンのフィルターが汚れていると家庭用エアコンと同様に業務用エアコンの効率は落ちてしまいます。

フィルターが詰まっていると空気を取り込むときに電力を余計に使ってしまいます。
また、フィルターが詰まっていると熱交換能力が下がって効きが悪くなり、設定温度を調節するとますます電力を使ってしまうのです。

エアコンが効率的な運転ができるよう、定期的にフィルター清掃をする必要があります。

また、フィルターだけでなく、業務用エアコン内部のクリーニングも消費電力を抑えて電気代の節約に効果があります。

エアコン内部のクリーニングは、少なくとも1年に1回はメンテナンスも兼ねて行うようにしましょう。

 

設定温度を調節する

 

エアコンの設定温度を1度調節すると、冷房では約13%、暖房では約10%の節電になるとされています。

お客さまが来店する店舗では温度を極端に調整するのは難しいかもしれませんが、外気温を見ながらこまめに調節すると効果的です。

 

室外機に打ち水をする

 

室外機周辺を冷やすと冷房能力が向上することはよく知られています。
室外機周辺の温度を下げるため、室外機周辺に打ち水をすると効果的です。

エアコンの室外機に自動で冷却水を噴霧してくれる機器もあるため、導入してみるのも1つの手です。

 

新しいエアコンに交換する

 

最新の省エネエアコンに交換するという方法もあります。
業務用エアコンは家庭用エアコンに比べて長持ちする傾向があるため、古い機器を使い続けていることもよくあります。

最新式の業務用エアコンは省エネタイプのため、電気代がかなり安くなります。

例えば15年前の機種と最新機種とでは30～35%電気代が安くなるとの試算もあります。

業務用エアコンの寿命は10～15年と言われていますので、お使いの機種が15年経過しているようであれば交換を検討すると良いでしょう。

 

専門業者に相談して取り付けを検討すると安心

 

ビルトインエアコンの仕組みや電気代について解説しました。

業務用エアコン設置の際は専門業者に現地調査を依頼し、取り付け工事に関する調査や導入するエアコンの機種と馬力を選択するのがおすすめです。

業者に相談して決めていくと、取り付け後も快適にエアコンを使用することができるので安心です。
導入を検討している段階でも気軽に問い合わせをするとその後の方針計画もスムーズです。